6.ツンツンリーマンの恋人。

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  「……高橋」 「は、はいっ?」 「……」 私の名前を呼んだまま、無言でじっと見下ろしてくる部長に、私は首を傾げる。 どうしたんだろう? ……まさか、実は田仲さんは怒っていて、あの後何か言われちゃったとか!? 怒らせたのが私だったらどうしよう、という不安が襲ってきて、私は部長を呼んだ。 「部長っ、あの」 「……さっさと仕事に戻れよ」 「へ?あ、あの……?」 部長は私の呼び止める声には何も反応してくれず、つと目線をそらした。 そのまま部長は喫煙室に入っていってしまって、それ以上は何もできなかった。 部長、何か怒ってる? でも、怒ってるなら雷が落ちるはずだし……。 いつもと何となく様子が違う部長に疑問を持ちつつも、今週中に終わらせないといけない仕事があることを思い出した私は、後ろ髪を引かれる気持ちでオフィスに足早に戻った。  
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