6.ツンツンリーマンの恋人。

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  「……んなよ。ったく」 「へ……?」 今、何て言ったの? ぼそりと落とされた部長の呟きは私の耳の奥にまでは届かなくて、そっと顔を上げて部長のことを見上げようとすると耳元にあたたかいものが触れた。 「!!ぶ、部長っ?」 「……次そう呼んだら、即ここから追い出すからな」 「ひゃ……っ、ん!」 首筋に部長のやわらかくてあたたかい唇が吸い付いてきて、私の身体は反射的にびくりと反応してしまう。 「……へぇ。飯を食ってきただけじゃなく、こっちの準備もしてきたんだな。こうなることを期待してたのか?」 「ははははいっ!?」 「いいにおいがする」 「!」 お風呂に入ってきたことがバレてる……! そう。自分の部屋に戻った後、私はどたばたとご飯をお腹に詰め込み、どたばたとシャワーを浴びたのだ。 ……別にそういう期待をしていたとかではなく! ……っていうのはキレイゴトだけど。 本当は期待していたんだ。 部長に触れてもらえることを。 「……小春」 「っ!」 やわらかい唇から生み出されるとは思えないようなチクン、チクン、とした痛みが何度も首筋に走り、そのたびに私は肩を震わせる。 そしてそのやわらかな唇は、私の身体を這うようにして徐々に下におりていく。 しばらくはタートルネック着なきゃなぁ、なんて冷静に考えられたのもほんの少しの時間だけだった。 その後は一気に部長……千尋の世界に連れていかれてしまったから。  
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