3.ツンツンリーマンの信頼。

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  * 私は須々木くんに企画部のフロアまで来いと呼び出しを受けた。 行ってみると企画部の人たちが一つのテーブルに集まってやんやと笑顔で話している様子が目に入ってきて、何事かと須々木くんに声を掛けると、その話題の中心である“あるもの”が入ったダンボールを押し付けられた。 このダンボールの中身はというと……1ヶ月半後に発売予定の新製品の腕時計、“CCX1118”シリーズのサンプルだという。 サンプルが届く時点で動作確認や強度チェックなど細かいチェックは終わっているものの、2週間かけて、企画や営業の方でも最終チェックを行うのだ。 自分が今手にしているものが製品サンプルだと聞いた瞬間、私のテンションは一気に上がった。 私がこの会社に入社してから2年半ほど。 まだ世の中に出る前の時計を一足も二足も早く手に取ることができることは、この仕事をやっていて良かったと思う瞬間、ナンバーワンなんだ。 早く中身が見たい!と思うけど、まずは部長に渡さなきゃいけないし、勝手に開けるわけにもいかないから、今は我慢我慢。 後でじっくりゆっくり、見せてもらおう。  
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