3.ツンツンリーマンの信頼。

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  私は再び突っぱねられることを覚悟して、部長のデスクに歩みを進め、声を掛ける。 「部長、あの」 「あ?何だよ。用があるならさっさと言え」 「えっと……」 「おい、まさかとは思うが、昼間のことじゃねぇよな?」 「!……そ、そのまさか、です。どうしてもサンプルのことが気になってしまって、部長のことを待っていたんです……」 深く皺の入った眉間と怪訝な表情に、やっぱり待っていたことを快く思われていないんだと感じて、「すみません」とつい謝ってしまう。 「……はぁ。ったく、時間の無駄を」 「すみません……!」 「あ?何でお前が謝るんだ?」 「え?だって……」 「帰れと言っておけば良かったな。はぁ」 「……」 部長の言葉が『お前のやることなんかないんだから、さっさと帰れ。居ても邪魔なだけだ』という意味なんだと気付く。 サンプル品を壊してしまったことを言及してこないところを見る限り、きっと私は完全に見放されてしまったのだ。 もうお前には関係ないから口を出すな、お前に任せるような仕事はない、役立たず、って。 また深い底に落ちてしまった気分になってしまった時、部長の目線が私を真っ直ぐ向いた。  
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