4.ツンツンリーマンの恋愛事情。

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  「部長、笑ってたんだって」 「……はいっ!?」 あの部長が笑ってたぁ!? 「な?驚くだろ?俺も10年近く部長の下で働いてるけど、部長の笑顔とか初めて見たし!」 「ほ、本当に笑ってたんですか?あの部長、ですよ?」 「マジマジ。いやーあの笑顔は男の俺でさえ、ドキッとしたね!」 「……ず、ズルイ……っ」 「だろだろ~?やっぱり超貴重だもんなぁ~」 喜多村さんは「超貴重」だからと得意げに笑うけど、そういう話ではないのだ。 私は貴重だから見たいわけじゃなくて、部長のことが好きだからその笑顔を見たいんだから! ずるい、ずるい~! つい、じとっと羨みの目で喜多村さんを見てしまう。 「それにさ。もっと驚くんだけど」 「え、まだ何かあるんですかっ!?」 「部長が一緒にいた相手、誰だと思う?」 「!だ、誰ですか?」 嫌な予感がして、心臓がどくんどくんと振動し始める。 もしかして、相手って……女の人、なんじゃ……。 だから喜多村さんは愉しげな様子なのかもしれない。 この嫌な予感が当たりませんように、と私は心から願いながら喜多村さんの答えを待つ。 喜多村さんはにやりと笑ってその口を開いた。  
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