4.ツンツンリーマンの恋愛事情。

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  「みっちゃん相変わらず綺麗だった?」 「……聞かなくてもわかるだろ。あいつのことは」 「まぁね~」 「つーか、黒崎。いい加減黙れ。そこ見てみろ」 「え?あれー?真野以外にも残ってる子いたんだねー。お疲れ様!えっとー、何さんだっけ?」 「!!?」 突然、話の矛先が自分に向いて、私は思いっきり焦った。 何しろ入社してこの方、社長とは一言も話したことがないのだ。 社長がこのオフィスに何度も来たことがあるとは言え、私はこのデスクからこっそりとチラ見していただけだし、社長も下の方にいる私の存在なんて気付きもしなかっただろう。 部長の彼女の存在に対するショックを引きずりつつも、私は縮めていた身体をがばっと起こし立ち上がる。 そして深々とお辞儀をしながら、社長に向かって挨拶をした。 「あのっ、え、営業一課の事務の高橋ですっ!お疲れ様です!!いつもお世話になっております!」 「高橋さん?」 「わかったなら今すぐ帰れ。仕事の邪魔だ」 「えー、別にいいじゃん」 「黒崎。」 何かを言いたそうな社長のことを部長はぎろりと鋭い目線で睨み、ぴしゃりとその名前を呼ぶ。 誰もが怯んでしまうはずの部長の目線に、社長は動じることなく、むぅと唇を尖らせて拗ねたような表情を浮かべた。 ……しゃ、社長、すごい……。 いや、すごいのは部長もだ。 社長に向かって、名前呼び捨てなんですけど!!  
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