4.ツンツンリーマンの恋愛事情。

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  「……ま、まさか、本人にも私が好きだってことがバレっ、バレっ」 「おい。ぶつぶつうるせぇんだよ」 「ひぃっ!!!」 突然聞こえてきた低い声に私は身体をびっくぅ!と跳ねさせる。 顔を上げるとそこにはいつの間にか戻ってきていた、まさに“私の好きな人”の張本人である部長の姿があった。 部長に気持ちがバレているのかもしれないと思うと、どんな顔をしたらいいのかわからなくて、私はとにかく焦りまくってしまう。 「あああのっ、ぶちょ……っ」 「高橋」 「へっ!?」 「お前は趣味が悪いな」 「……はいっ?」 「それに、き……、はぁ。」 「ぶ、部長?」 「まぁいい。仕事終わってねぇんだろ。早く終わらせろ」 部長はそう私に言葉を掛けると、くるりと身を翻してデスクにすたすたと戻っていってしまう。 私はそんな部長の後姿を呆然と眺めていた。 ……趣味が悪いって何の話? しかも、今、言葉を途中で止めたよね? 「まぁいい」って、何がいいの? そんなの部長らしくなくない? っていうか、今の、聞かれてない? っていうか、私の気持ちはバレてるの? バレてないの? バレてるから変な態度を取られてるの? どっち!? こんな中途半端な状態で仕事なんて出来るわけないじゃん!!  
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