4.ツンツンリーマンの恋愛事情。

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  「高橋、ちゃんと状況わかってるよな?」 「……っ、こ、腰が砕けそうなくらい幸せだってことはわかるんですが……これって、夢、ですよね……?それか、遊び……」 「あぁ?何言ってんだよ、お前は。全然わかってねぇじゃねーか」 「!」 何がわかってないの? 「幸せ」なんて言葉を使ったのが間違ってた? もしかしたら部長は、私の気持ちに区切りを付けさせるためにキスをしてくれたとか……。 ……それとも、これは夢でも遊びでもないって言ってるの? でも、どう考えても……本気、ではないでしょ? 全然わからない!と頭を抱えたくなったけど、このままわからずにいるのは夢だとしても生殺しすぎる。 聞いたら教えてくれるだろうか?と、私は恐る恐る口を開く。 「……は、はい。すみません……。わかってないみたいなので、大変お手数お掛けしますが教えていただけると」 「助かります」と言いながら部長の胸を押してみたけど、離れることはできなかった。 むしろ、力がぎゅっとこもって、そのことにまた私は焦ったけど、声を出さないように必死にこらえる。 「そのざる頭によーく引っ掛けておけ」 「……はい」 何となく怒られるような雰囲気を感じてしまって、私は部長の胸の中で気を引き締めて短い返事をする。 これは部長の機嫌を損ねないために不可欠のことなのだ。 特に私はよく「返事は短くていい!」と言われてしまうから。  
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