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時間が経ち今は5時間目。皆で委員会を決めているところだ。黒板には一宮先生の綺麗な字で各委員会名が書かれている。穂香と凛は保健委員を務める事になった。穂香は好きな凛と一緒になれて嬉しいんだろうが…凛はご機嫌斜めだ。そんな凛に気付いた先生は凛に問い質す。
「どうした?愛川。何か不満なのか?」
「何かって……俺は学級委員になりたかったの」
「いや、学級委員に藍堕を薦めたのはお前じゃないか…」
一宮先生が困ったように言うと、凛はふてくされながらぶつぶつ言い出した。
「いや、まぁそうだけど…椿と一緒に学級委員できると思ってたから…俺委員会に入るの今年で初めてだし…男女で1人ずつなんて知らなかったし…」
ぶつぶつ言う凛に呆れたと言わんばかりの表情の一宮先生。しばらくして頭を掻きながら溜め息混じりで口を動かした。
「とにかく、愛川には悪いがもう決まったから。これでいくぞ」
先生の言葉が言い終わると同時に5時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った。「はーい」と変事をする生徒に混じって「ぶー」と、ブーイングする生徒が1人いたことを無視して一宮先生は教室をあとにした。
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