第二章:蘇りは命日

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「カナダは昔、暮らして飽きちゃったから、今度は日本に来たんだ」 お金持ちであちこち旅して歩いている身の上なのは、嘘ではなさそうだ。 そして、恐らくは、故郷に生きづらさを覚えて外に出たのであろう境遇も。 「でも、時々、こうして気付かれちゃう」 確かにここまでそっくりだと、レスリーが存命なら、別人だと主張する方がむしろ難しく思えた。 それこそ、別人の名前と生年月日が記載されたパスポートか免許証でも見せないと、レスリーのお忍びだと誤解され続ける気がする。
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