第11章

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習ったままのような武術の型だった。 しかし、男はすばやくカイトの腕から逃げた。 そして少し間合いを取って、ナイフを構え直した。 着古したTシャツとジーンズ。 身長は170センチに満たない、アジア系の男。 これと言って特徴はないが、目だけはぎらぎらと恐ろしく光っている。 対するカイトは静かに相手を見定め、挑発するでもなく、殺意を示す訳でもなく、ただ膝を緩く曲げ、肩から力を抜くように腕を小さく振った。
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