第11章

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最初に襲ってきた男を拘束し終えた喬久が戻り、同様にカイトが動きを封じている男の手足を結束テープで縛った。 息一つ切らしていないいつも通りの姿で淡々と作業を終えた後、喬久は何かに気が付き叫び声を上げた。 「カイト! 腕が!!」 唐突な、喬久らしくない叫びだった。 地面に腰を落としたままの栞から、カイトの上着の右上腕が切り裂かれているのが見て取れた。 20センチ程のかなり大きな裂け目。
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