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とにかく、連絡の電話は終えたのだから伯父と燦の待つ部屋に急がなくては。
今度は伯父に先程あったことを詳しく話さなければならないのだから。
伯父は気配は感じられる人だと言っていた。
ならば変に誤魔化さず、ありのままを話した方が良いだろう。
どう話し始めようかと考えながら二人の待つ部屋の襖を開けた。
「お待たせ。ごめんね、ちょっと話が長くなって」
そう言い訳を付け加える。
「いや、私も燦君と少し話があったからね。丁度良かったよ」
明長は笑顔でそう言うと、波留が座るのを待ち先程あったことの説明を求めてきた。
とりあえず、紗香と別れた後からの事を話し始める。
順番に話して、足りない部分などを燦が補足して行く形で説明した。
相槌を打ちつつも黙って聞いていた明長は、「ふむ」と少し考え黙った。
信じてはくれているのだと思う。
ただ、見える訳では無い明長が何処までちゃんと理解してくれるのか。
それは少し心配だった。
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