小鬼

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「……」  お礼を言われた燦は目を見開いたまま止まっていた。 「……なに? どうしたの?」  波留は不思議に思って聞いてみるが、すぐには反応が無い。 「ねえ、ちょっと本当にどうしたの?」  もう一度聞くと、突然下を向いて大きく息を吐き出した。 「はあぁぁぁ……。この流れでその笑顔は反則だろう……」  意味が分からなかったが、波留は反則と言う言葉に反応する。 「反則って何よ。笑っちゃいけなかったの?」  少し不満を込めて言うと。 「んな事言ってないだろ!?」  驚きと苛つきを含んだ声で反論される。 「じゃあどう言う意味よ!?」  こうなると波留は更に腹が立ってきて声を荒げてしまう。  またもやケンカになりそうだったが、そこに第三者の声が掛けられた。
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