月山神社

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 意味深な言葉に思わず波留は燦と顔を見合わせる。  明長は祖母から何か聞いていたという事だろうか?  では何故、それを父の道隆に伝えてはくれなかったのか。  疑問が次々と湧いてくるが、その答えは明長にしか答えられない。  つまりは、ついて行くしか無いという事だ。  どちらとも無く立ち上がった波留と燦は、明長の後を追うように参道を登っていく。  とっくに見頃が終わった桜の木々の下には、今が丁度見頃の紫陽花が可愛らしい花束を作っている。  ここ数日雨は降っていないが、陽光の下でも美しい色彩を誇らし気に見せつけていた。  桜は元々この神社にあったらしいが、紫陽花は祖母の米子が嫁に来てから植えはじめたらしい。  ただの趣味かと波留は思っていたが、ここ最近の不思議な事を思うと何か理由があったのかも知れない。
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