Session 1

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 遠くから女たちの甲高い奇声が聞こえる。視線の先にはいつも俺、尾崎唯鶴がいる。慣れたこの状況も気づけば2年半が経つ。  が、一人だけ俺のいるグランドを見向きもせず悠々と素通りする女がいる。 「っだよ、あいつ・・・」  思わずシュートをきめてとろうとした右手が停止する。  ただ一人の例外こと俺の彼女、音無羽有華は興味なさそうに女たちの群れを突き進んでいく。  付き合って一週間。どうも劣勢気味の俺はいてもたってもいられず、走り出す。 「おい、唯鶴!どこ行くんだよ!」  授業中だろうが関係ない。  あー、いちいち腹が立つ、あの女。  俺は全速力で女子の集団目がけて突っ走った。    
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