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ーside 夏ー 『ナツ?大丈夫?』 『もう、いっぱいいっぱい。どうすればいいの?』 『ギリギリになってから教室に入ろう。そしたら話し掛けられずに済むでしょ? そんで、権ちゃんにLHRで席替えさせる。ちょうど時期だし。』 『権田先生、認めてくれるかな?』 『…………………脅す。』 火曜日、隣の席で気まずかった私は、千夏ちゃんのお陰で堂本くんと席が離れることが出来た。 休み時間、偶然目が合った堂本くんが思い詰めたように私を見てきて。 『……谷口っ!』 『…ッッ!』 思わずビクッとなった。 思いっきり目を逸らせて。 『谷口!あの』 『ストップ!ナツ、移動だぞー。堂本は離れた離れたーー。』 『何だよ野々村!谷口に話が』 『あのっ!!…私、勘違いしてたみたいですみません。からかわれたよね?』 『……違……!』 『すみません。私のせいです。謝りますから二度と近付かないで。もう迷惑かけないので。』
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