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マックの君からの連絡はない。 そりゃそうだ。 マックの君に告白して、好きだって気持ちを知ってるし。 多分、私に合わせてくれた"友達"発言。 その時は嬉しさに満たされて。 だけど、一人になって考えたらそう気付いた。 マックの君は凄く優しい。 私のことも真剣に考えてくれるって。 私に合わせてくれて。 脳裏に浮かぶ表情は、ずっと笑顔で。 「…カツヨウ…!!!」 声だけでも聞きたくて、またググッと拳を握る。 通話ボタンを押して…通話終了ボタンを連打。 深い溜め息を吐きながら、枕に突っ伏す。 もしかしたら、仕事が終わってないかもしれないとか、忙しいかもしれないとか、更に無駄な考えまで浮かんできて。 「自信が欲しい…」 私が今、喉から手が出るほど欲しいものは自信。 自信があれば、勇気に繋がるから。 …とか考えても、直ぐに得られるわけがない。 今は勇気だけ必要。 考えてみれば、名前だけで待受画面に戻していた一時間半前と比べたら進歩してる。 「…カツヨウ!!行け!!夏!!」 決意して通話ボタンを押す。
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