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「…今…お仕事中…ですよね…?」
『そうだよ。仮眠時間だけど。』
…マックの君は社会人。
お仕事してて当たり前。
私は学生で、マックの君は大人で。
こんなにも壁を感じるって思わなかった。
"友達"と言っても、千夏ちゃんみたいな感覚になれなくて。
毎日会えないし、おしゃべり出来ないし。
電話もメールもしていいよって言ってくれたのも、私が望んだから合わせてくれたんだ。
子供の歩調に合わせて歩く大人のように。
それに、貴重な仮眠時間を削っちゃいけない。
『…ナツちゃん。』
「…はい!」
『素直に言えば?』
「…え?」
素直にって…今考えてたこと?
チラッと時計を見ると、21時を過ぎていて。
公務員でもこんな時間まで働いて、凄く忙しい間の仮眠だったのかもしれないと思うと、自分の行動さえバカに思えてきた。
自分の都合を押し付けてるだけだ。
「あの!すみませんでした!」
『……は?』
「疲れてるのに、貴重な時間を削ってしまいました!休んで下さい!お仕事頑張って下さい!夜分に失礼しました!」
『え!ちょっと!ナツちゃ』
通話終了ボタンを押すと、フラフラとよろけながら枕に突っ伏した。
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