3

56/60
前へ
/356ページ
次へ
「あのっ!」 「ん?」 「いつから…気付いてたんですか?」 自動販売機の裏に隠れてたのに、すんなり見つかって声をかけられたことが頭を過った。 それで、直接聞いてみると。 「…バスから降りた瞬間。」 「え!」 「走ってると分かるけど、バス停ってコースから見えるんだよ。…えらい遠回りしてきてたな。ご苦労様。」 …なんだ。最初から分かってたのか。 それはそれで恥ずかしい事実。 「今日、絶対来ると思ってた。」 「…だって…ずっと会いたくて…」 「…ありがとう。ナツちゃん。」 「でも、昨日は…ごめんなさい…」 「………はい。」 昨日の夜は、後悔の嵐で眠れなかった。 謝らないとと思って。今、口に出せてホッとした自分がいた。 そして癒すかのように穏やかに言われた「はい」が心に浸透し、頭を撫でられた大きな手が許してあげると言われてるようだった。 …もう。好きすぎる。 マックの君。 会うたびに惹かれていく。 …この人は…怖くない人だ。
/356ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2887人が本棚に入れています
本棚に追加