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なんか、よく分からないことを言って席についた千夏ちゃん。 しかも爆弾まで落としていった。 (…た…確かに競争率高いかも…) どっかのモデルさんみたいに綺麗な顔してた。 歳はよく分からないけど、20歳ちょっとくらいかな。 「…谷口おはよう。ギリギリセーフ!」 「おはよう。」 汗だくで隣の席に座ったのは堂本くん。 所属する野球部の朝練が長引いたらしい。 堂本くんも千夏ちゃんと同じで気さくな人気者。 彼の周りには、自然と人が集まる。 案の定、予鈴が鳴ったっていうのに、友達に囲まれて笑っていた。 「……!」 「っと、わりぃ…げ。谷口。」 「…あーー…大丈夫です。」 机が誰かに押されて斜めになった。 見上げると、堂本くんの友達の早瀬くん。 (げ。…って何よ…) うん。 知ってる。 私は内向的だから、みんなから浮いてる存在。 いつのまにか、会話すると不幸になるとか噂されてることも。 それを聞いた千夏ちゃんは、笑い飛ばしてくれたけど、みんながそうではないってことも知ってる。
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