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机を直すと、先生が教室に入ってきた。 「おらーー!席につけ!昨日のテスト返すぞ!」 「マジかよ!早いだろ!」 「権田はマイナス10点にしておく!」 「なんだよそりゃ!!」 教室内に笑いが起こる。 権田くんはムードメーカーと言っても過言じゃないかな。 彼もみんなに好かれる存在だ。 「最高得点は97点!谷口夏!みんな拍手!」 「……!」 (……97点……) ドクン!と心臓が鳴った。 テストを取りに行くと、一問ミスをしていた。 (…ちゃんと確認したのに…) 一問のミス。それが後々どんなことになるか、身に染みて分かっている。 「谷口、お前毎回凄いな!」 「…堂本くんだって成績いいでしょ。」 「クラスで一位なのに、もっと喜ばねぇの?」 「え?…うん。嬉しいよ。」 アハハ…と、作り笑いして、再度テストに目を落とした。 授業中、同じ問題を何度もノートに書いて、問題を暗記するまで復習した。
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