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「なぁ。ちょっと手ぇ貸して。」 「……?はい。」 早瀬くんはそう言って手を差し出した。 その上に手を置く。 なんだか"お手"してる犬みたい。 「……………」 ギュッと握られた。 へぇ。男の子って、手、大きいんだ。凄い。 なんかゴツゴツしてるし。千夏ちゃんとは全然違う。 でも、突然どうしたんだろう?と見上げる。 「…どういうことだ?」 「え?え?」 「ドキドキしない。」 「………?」 見上げた先は、首をかしげて不思議そうな顔をしている早瀬くん。 よく分からない。 今はどうってことないって、さっき、自分で言ってたのに。 何だろう?と私も首をかしげた。 「俺、好きな相手だと、手を握るのがドキドキするって聞いたんだよね。」 「…はぁ…」 「谷口、ドキドキしない?」 「うん。ゴツゴツしてる。」 「………は?」 「男の子ってゴツゴツしてるなぁって思った。」 「あのなぁ!そういうこといってる訳じゃないだろ!アホなのか?成績トップの癖に!!」 「ひぇ!!ごめんなさい!!」 …怒られちゃった。クスン。
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