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「…ふーん。…でも、お似合いだったよ?」 「冬馬さん。ストップ。私たち帰ります。」 「君らが呼び出しておいて、それはないんじゃない?」 「…マックの君…?今日…おかしいよ?どうしたんですか?」 「カミングアウトしようと思ってね。」 …お似合い?…どういう意味? ドキドキがズキズキに変わった。 今までそんなこと、言ったことなかったのに。 それに…… 「か…カミングアウト?…何?」 「本物の俺。」 「え?」 怖い。…どうしようもなく怖い。 パニックになりそうだ。 なのに、マックの君から、目を離せない。 …険しい表情と同時に、あの時の、出会った日に見た悲しそうな表情が浮かんでたから。 「…ナツちゃんさ、"フラッシュオーバー"って言葉を知ってる?」 「…え?…知りません…」 「そう。じゃ、家に帰って検索してみてね。 "フラッシュオーバー"だよ。覚えた?」 「……はい……」 「それが原因で消防隊員は君のお父さんは助けに行けなかった。」 「………………え?」 「助けるべき人を目の前にして、動けない消防隊員のことは考えたことなかったか?」 「……………」 「俺がどうしてこんな話、知ってると思う?」
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