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「…ナツ!ナツってば!!」 「…え?…千夏ちゃん?」 「もう授業終わったよ。」 「…あ、ホントだ…ゴメン…」 「こんなことだろうと思った。…ちょっとおいで。風に当たりに行こう。」 「…え。待って…次の授業…」 「サボれ!いいからおいで!」 休み時間になったのも気付かず、一心不乱に書いていた間違い問題。 千夏ちゃんは強引に私の手を取り、そのまま屋上に向かった。 「…千夏ちゃん…!」 「あのさ。いつも思うけど、97点って凄くない?私なんか赤点ギリギリだったよ? …威張るなよ!私!…って感じじゃん? 平均58点だし。凄いと思うけど。」 「…えと……私…」 「あんた、いつもそうだよね。満点が普通。ミスるとこうなるのはどうして? …もう聞いてもいいよね。ずっと我慢してたんだから。」 「……………」 「自分で抱え込まないでさ、言ってみなよ。」 千夏ちゃんの表情は、私を心配してる感じ。 本気で私のことを思ってる。
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