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翌日。 一晩考えて、気持ちを確認しようと思った。 始発に乗って、冬馬さんが住んでいる最寄り駅で降りる。 まだ明るくなり始めた時間。 目的のマンションに辿り着き、一度乗った車を見付けて、ボンネットの上に腰掛けた。 どの答えが一番いいのか。 いろいろ悩んだけど、ナツの気持ちを応援したいのが一番。 そして、両想いであろう二人を恋人にしてあげたいのが二番。 "であろう"から確信に変えるために来たって訳。 待つこと二時間弱。 ようやく姿を現した冬馬さん。 「…おはようございます。」 「…千夏ちゃん…」 ちょっと威嚇して睨みながら挨拶。 「朝早くなら会えると思って来ました。」 「…そう。」 「お節介だとも思いますけど。どうしても聞きたいことがあって。」 「手短に頼むよ。俺、今日出勤日だから。」 「そのつもりです。」 …動揺してるようだが、それを表に出さない。 さすが大人…と言ったところか。
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