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死んだような目が、一瞬揺らいだ。
心の中でガッツポーズをしながら、もう一度話し掛ける。
「…夏の想いって、そんなものだったんだ?」
「……………」
「消防士ってだけで嫌いになった。あ、そう。それじゃ、これから先も」
「好きだよ!大好きなの!だから!」
「好き?そんなわけない。消防士、嫌いなんでしょ?
ああ、そうだ。私も気になって調べてみたよ。フラッシュオーバーって、すごい爆発起こる現象なんだって。
ベテランになれば、建物の構造や中で燃えてるものを見るだけで、フラッシュオーバーになると予知できるってさ。」
「……………」
「言ってたよね?冬馬さん。消防士のことを考えたことはあるか?って。苦しそうな表情で。
…それを聞いてピンときた。夏のお父さんの場所に行きたくても行けない状況だった消防士の姿が目に浮かんだけど。」
「…それ……本当かな……」
「あの日の消防士に聞かないと分からないけどね。」
…次第に反応を示す素直な夏。
ちょっとだけ隙間を与えてやれば、こっちのものだ。
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