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「……ミス…したから……」 「……は?」 「だから…ミスしたから…」 「…それが何?私なんかどうなるの? つーか、ミスしない人間なんかいるわけ?」 「…100点じゃなきゃ…叩かれる…」 「……え?」 「お母さんに…叩かれるから…どうしよう!私、また満点取れなかった!帰ったら」 「ナツ!…もういい。分かったから。」 吐き出した途端、身体が震えてきて。 千夏ちゃんは、私を抱き締めてくれた。 無言のまま時間が過ぎ、落ち着くと「ありがとう」と一言告げた。 ニッコリ笑った千夏ちゃん。 その笑顔は、どこか寂しげで。 「…お母さんと仲悪いの?」 「…いいとは…言えないかな。ただ怖い。」 「叩いたりするの?」 「…以前は…凄く穏やかで明るい人だった。大好きだったよ。」 「…切っ掛けがあるってこと?」 「…お父さんが死んでから変わった。」
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