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その夜、彼女からメールがあった。
"今日はいなかったですね"
…スポーツランドに来てたのか。
…俺を待っていたのか。
苦しくなって胸を押さえた。
それは意思表示だろう。
千夏の作戦は遂行されてるんだ。
夏の心を奮い立たせたんだ。
だけど、俺はそのメッセージを無視した。
何度もかかってくる電話も。メッセージも。
一日おきでやっているトレーニングでさえ、別の場所に車で移動してやるほど徹底的に避けた。
会ってしまうと、俺の感情が壊れてしまいそうだったから。
動揺しないために時間が必要だった。
それでもメッセージはいつものように毎日送られてきて。
それを当たり前のように無視して。
自分自身が嫌いになり始めた頃だった。
マックでフッて、1ヶ月半。
「………見付けた。マックの君。」
職場に現れた夏。
驚きで、息を飲んだ。
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