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ーside ナツー 初恋は、意外と苦しかった。 マックの君が消防士だったなんて。 胸が張り裂けそうだった。 だけど、千夏ちゃんの言う通り、私は頑張ってない。 恋を頑張るってどういうことだろう? それは、相手を知ることだと思った。 マックの君が大好きになって、 その思いがどんどん大きくなって、 もっともっとって貪欲になっている自分。 私は、マックの君の何を知ってる? たまに、口が悪くなる。 私を庇うように歩いてくれる。 ちょっとだけお箸の持ち方が下手。 いつも笑顔を見せてくれる。 観察してて知ったことばっかり。 もしくは直接聞いて教えられたこと。 他は? …何も知らない。 だから知らなきゃダメだ。 まずは消防士のこと。
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