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消防官は、いつだって危険と隣り合わせ。
いつ死ぬか分からない。
そんな職業を選んだマックの君。
「……私は…どうして嫌ってたんだろ……」
今でも目に焼き付いて離れない。
夢にだって出てくる。
お父さんを見ている消防士。
その焼かれていく身体を、何もせず見ていた。
だから憎かった。
頼まなければよかった。
卑劣な人たちだと決めつけていた。
でも、マックの君は卑劣だった?と聞かれると、はっきり違うと答えられる。
同じ消防士なのに。
全然別人みたい。
「思いの改革だ!頑張るのよ!夏!」
自分で自分を激励し、携帯を握る。
いつものように、普通のメッセージ。
でも、既読がついても返信はなかった。
次の日には電話してみた。
それも取られることはなかった。
いつもだったら遅れてもメッセージくれるし、折り返し電話が掛かってくる。
それがない。
二日、三日、一週間。
「…め…めげないもんね!!」
なんとか奮い立たせて、応答なしのマックの君を思い続けた。
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