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鈍感な私でも分かった。
マックの君は、徹底的に私を避けている。
きっと、知らないうちに引っ越すことになるかもと思ったくらい。
もう一度、話したい。
あれから毎晩マックの君の笑顔を思い浮かべた。
そして、いろんなことを思い出した。
そこでやっと気付いた自分の失態。
私は、いつのまにかマックの君を傷付けていた。
嫌悪対象に消防士を入れていた。
大好きだと言いながら、大嫌いと言っていた。
そしてあの日、マックの君の手を振り払った。
大嫌いと言った私に、自分が消防官だと告白するのは相当勇気が必要だったと思う。
千夏ちゃんが教えてくれた、相手の立場になって考えること。
そうやって考えたら、私だったら言いたくないもん。嫌われてると分かってるのに、わざわざ追い討ちをかけるように言うことは怖い。
何度も考えた。
やっぱり、マックの君が好きで。
だから謝りたくて。
「本当に大丈夫?」
「うん、今、愚痴聞いてもらったし。こればかりは私が一人でやり通さなきゃいけない気がする。」
「…そうだね。頑張んな。」
「うん。」
「でも、何かあったら連絡して。」
「ありがとう。大好き。千夏ちゃん。」
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