2886人が本棚に入れています
本棚に追加
さんざん罵倒し殴ったあと、お母さんはまた出ていった。
取り残された家の中で、頭に思い浮かんだのはやっぱりマックの君。
気が付いたら、足はスポーツランドのバス停だった。
カレンダーに記された丸とバツの印。
丸は休みでバツは仕事。
一日おきにつけていたそれは、マックの君のシフト表。
今日はバツの日。
だけどやっぱりマックの君はいなかった。
車もなかった。
《会いたいです。今どこですか》
短いメッセージを打って送信。
何時間待っても、やっぱり返信はなくて。
電話を掛けても繋がらない。
「…冬馬さん…」
思わず口に出してしまった名前に、ボロボロと溢れだした感情。
孤独だった。
それが凄く怖かった。
『…今から?別にいいけど。』
「本当に?じゃあ、肉じゃが食べようよ!私が作ってあげる!」
『分かった。』
千夏ちゃんは文句も言わずに一緒にいてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!