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「私の思いは伝わるかな?」 「諦めなければ伝わるよ。」 いつだって積極的な千夏ちゃん。 弱気で内気な私を励ましてくれた。 「…マックの君、何してるかな?」 「さぁね。シャワーでも浴びてるんじゃない?」 「…………。きゃーー!!シャワーって!!」 「何想像してるのよ。ナツのスケベ。」 「…私…スケベ…?知らなかった…」 「…バカ。」 千夏ちゃん曰く、私はスケベ。 ちょっとショック。 でも、それくらい頭の中はマックの君の行動を妄想していた。 「…千夏ちゃん。私が消防士になったら、マックの君の気持ちがちょっとでも近付くかな?」 「……まぁ、そうかもね。消防士は消防士なりの思いがあるから。 嬉しいことだってあると思うし、悲しいことだってあると思う。」 「経験したら一番だよね。」 「…ちょっと。本気で言ってるの?」 「…うーん。妄想の中の自分かな?」 一晩中、そういう話で盛り上がった。 だから、支配していた孤独感は薄れていった。
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