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8月に入ったある日、道で部活帰りの堂本くんに会った。 「…谷口?こんなところで何を…」 「…あ…こんにちは。」 まともに口を利くのもあの日以来。 ちょっとドキドキする。 「谷口の家、反対方向だろ?野々村もこの辺じゃないし。何してんの?」 「えっと、消防署巡りです。…じゃ、新学期に。」 「待って。」 …いや、ド緊張です。 この人は私を好きって言ったから、避けたいんです。 「…マックの君と関係あるんだ?」 「…ひょ!……全然!!し!失礼します!」 「近くにマックあるんだ。奢るから行かない?」 「行きません!!ごめんなさい!!」 「…プッ!……アハハハ!!」 「……!?」 「猫みたい。」 ……猫!?いきなり失礼な人だ!! 「威嚇してるから猫みたいって言ったんだよ。」 「…威嚇。…はい。」 「そんなに避けないでよ。…俺、お前のこと諦めるからさ。」 「……え?」 「マックが嫌ならそこの公園行かない?ジュース飲もう。喉乾いた。な!」
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