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「納得出来ないところもあったけど、谷口の気持ちを考えたら諦めるしかないって思った。」
「私の気持ち?」
「マックの君が好きなんだろ?追いかけたいと思ったり、苦手なものを克服したいって思うほどに。」
「…はい。」
「無難に相談相手とかして、あわよくば…なんて考えたりしたけどさ。
…別の俺がやめとけって言うんだよ。」
「……………」
「俺さ、結構前から谷口のこと好きだった。」
…なぜかとても落ち着く。
さっきまでのドキドキもいつのまにか消えている。
堂本くんは…きっといろいろ頑張ってたんだ。
私の自惚れかもしれないけど、私の知らないところで一生懸命だったんだ。
「マックの君に出会ったのは痛かったかな。それまでは、谷口のこと見る奴なんていなかったから、ゆっくり落とそうって思ってた。
隣の席譲ってもらったり、毎日声を掛けたり…」
「……………」
「…俺の行動が遅すぎた。」
そして一気に飲み干したジュース。
飲み終わると、深く溜め息を吐いた。
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