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「…堂本くんはカッコいいですね。」
「…は!?」
なんか、凄くそう思った。
ちょっと戸惑ったり掻き乱されたりしたけど、正面からぶつかり、気持ちを言える。
それに、自分が得しないことでも正面から向き合った。
私も見倣わないといけない。そういう誠実さ。
「凄いと思う。うん。堂本くんはカッコいいです。
堂本くんみたいに、誠実で真面目な人になりたいって思いました。
私は人見知りなので、こうして話すことは滅多にないから気付きませんでした。
話して分かることもある。…堂本くんはとっても素晴らしくカッコよくて、素敵で、み」
「ストップ!!!」
「………え?」
「あのさ。諦めるとは言ったけど、俺はまだ谷口が好きなわけよ。」
「…そうなんですか?ありがとうございます。」
「…じゃなくてさ!!」
「…………?」
「…マジかよ…電車での展開か…」
「あのー。…大丈夫?顔赤いけど、熱がありますか?」
「あー、ないから気にしないで。…でも嬉しい。谷口は、俺を見てくれたからさ!」
「…はい?誰だって見てますよ?堂本くんを。」
「…多分違うよ。谷口の見方とは全然違う。そういうところが好きだ。…かなり天然だけど。」
「失礼な!天然じゃありません!!」
「どの口が言うんだよ。バカじゃん?」
「酷いです!やっぱりカッコよくない!」
「アハハハ!」
赤くなったと思ったらバカにされて笑われた。
ちょっとだけムッとしたけど、なんか、泣きそうだったから笑ったのを見てホッとした。
「また友達として話そうぜ」という言葉と共に、堂本くんとはそこで別れ、消防署巡りを再開した。
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