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いろんな思い出が頭を過った。
一目惚れして、ハンカチを差し出して。
それから思い続けた日々。
偶然会って、励まされて。
さらにマックの君に惹かれていって。
だけどマックの君を傷付けてしまって。
マックの君に無視される日々。
迷惑かもしれないけど、"若さ"を武器にするしかないと思った。
突っ走って、マックの君に真っ直ぐ気持ちを伝えなければいけない。
それに、消防士という仕事についても、深く知らなきゃマックの君を知ることができない。
(よし。行くぞ!)
意を決し、油差しを忘れたロボットのようにギクシャクしながらマックの君に向かって歩く。
緊張する。
助けて!千夏ちゃん!
心で叫びながらも、一歩一歩前に。
そして、マックの君が私に気付いた。
その目を大きく開けて私を見た。
「………見つけた。マックの君。」
…会ったときに言う言葉なんて考えてなかった。
思わずに出てきた言葉は、色気も何もないただの感想。
それでもいいや。それで精一杯だ。
ドキドキする心臓が、その精一杯を示していた。
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