2

9/54
前へ
/356ページ
次へ
会社の三階の窓。 必死に叫び、助けを求めるお父さんの姿。 『お父さん!!お父さん!! 誰かーー!!お父さんを助けてーー!!』 父を見つけ、懸命に泣き叫んだ。 消防車が到着。 直ぐに消火活動が始まった。 同時に救助を始める。 『あっちにお父さんがいるの!早く助けて!』 『直ぐに助ける。危ないから向こうに行って!僕たちに任せて!』 笑顔でそう言った消防士。 だけど、建物の中に入っていく人がいない。 どうして……どうして…!! 瞬間 大きな爆発と共に地面が揺れた。 目を開けると、さっきまでいたはずの場所に、父の姿がない。 「…火が収まって、焼死体が発見されて… 私とお母さんは、お父さんの死んでいく姿を見ていたと理解したのは数日後。 …消防士は、助けてもくれなかった。」
/356ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2886人が本棚に入れています
本棚に追加