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帰りながら千夏ちゃんに電話した。
「千夏ちゃん。マックの君、見付けた。」
『嘘ーー!!凄いじゃん!!』
「…うん。…千夏ちゃん…」
『…ナツ?どうしたの?』
「…千夏ちゃん…ッッ!!」
『…うん。いつものマックで待ってるから。直ぐにおいでね。気を付けて。』
会えたのに。涙が出そう。
挫けそうだから、堪らず千夏ちゃんに助けを求めてしまった。
…そういうところが甘いのかもしれない。
だけど、頑張りたいからエールが欲しい。
「…そっか。…ヒネクレ者だな。冬馬さんも。」
「違うよ!私が悪いの分かってる!…だけど嬉しいけど…怖かった。」
「お疲れさん。…大丈夫だよ、ナツ。きっと伝わるから大丈夫。」
「どうしてそう言えるの?」
「うーん。あんたと一緒にいるときの冬馬さん、優しかったじゃん?
それを信じていいんじゃない?」
「…!そっか。分かった!信じる!」
「…恐ろしく単純だからやり易い…」
「え?何?聞こえなかった。もう一回。」
「純粋だって言ったの。
ナツ。諦めちゃダメだよ?頑張るって決めたんなら、消防車も普通に触れて、消防官とも普通に喋る。
そうしたら、本人じゃなくても、冬馬さんのことを教えてくれる人が出てくるでしょ?
周りをを固めるんだよ。狙った獲物は逃がすなよ?」
「雌豹夏!頑張ります!」
うん。やっぱり会ってよかった。
このエールがあるから泣かずに頑張れる。
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