2886人が本棚に入れています
本棚に追加
私に残された夏休みはあと19日。
その間、精一杯動いてマックの君を知る。
それだけ考えればいい。
翌日。
マックの君は休み。
それでも消防署へ向かった。
目の前には、"相棒"と言っていた消防車。
思った以上に大きい車体に磨き抜かれたボディ。
恐る恐るまた触ってみる。
怖くなって離れて。
また近付いて触るを繰り返す。
今はこの赤い車が火に燃える塊に見えて、どうしても怖く感じられる。
だけど、そうじゃない。
人の命を守る車。そう思い続けて何度も何度も。
「…そこの女子。」
「……!!」
「さっきから何してるの?」
「…えっ!!あのっ!ごめんなさい!か、か、カッコいい車だなって!何て名前ですか!!」
「……………」
「…ーーーーッッ!!」
…私のバカーーー!!!
消防車なんて、幼稚園児でも知ってる車なのに!
突然声をかけられたからビックリして慌てたがゆえの墓穴に目を閉じた。
「…プッ!……ワハハハ!…面白い子だね!」
…う。笑われてしまった…
最初のコメントを投稿しよう!