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チラッと見上げると、どうやら消防官。 30歳前後と言ったところか。 「消防車って言うんだけど。知らなかった?」 「うっ!!………知ってます…すみません。」 「プッ!!…こりゃまた素直に認めたな。…それで?さっきから何してんだ。」 「あの…えっと…その…」 「…怒ってる訳じゃない。ゆっくりでいいから落ち着いて教えて?」 「……えっと……この車…に、慣れたくて……」 「慣れる?」 「あのっ!!私は怪しいけど!怪しいものではありません!谷口夏といいます!! 消防車以前に消防士が嫌いなんです!だけど、消防士のことを知りたいんです! 凄く動機は不純だから言えませんが!消防士のことを教えていただけませんか!」 千夏ちゃんに言われた言葉が頭を過り、本人ではなく他の消防官に会えたことはラッキーと思わなければ。 周りを固める! 私は雌豹! ターゲットは目の前の30歳の人!
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