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「…不純な動機って何?」 …うぅーーー!それは言えませんと言ったのに。 「…す……好きになった人が…消防士です……」 聞かれたから正直に答えた。 「…なるほど。確かに不純な動機だ。 だけど、さっきから見ていると、君は相当消防車が怖いんじゃないのか?」 「……怖いです……」 「だったらどうして?」 「消防車…というより…消防士が怖いです。…だけど、頑張ってなかったので頑張ってるんです。」 「んーー、さすがにちんぷんかんぷんだ。」 「…ですよね……お時間取らせてすみませんでした。…失礼します。」 はぁ。ダメだ。 上手に事を運ぶことが出来る魔法の言葉が欲しい。 そう思いながら、肩を落として自転車の方に歩いていく。 「いやいや。別に教えないとは言ってないけど?帰っちゃうの?」 「……!!」 「ここは暑いから、中に入りなよ。」 「本当?」 「ああ。どうぞ。」 「ありがとうございます!!!」 やった!!カツロ!! 千夏ちゃん!!カツロだよ!これ!!
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