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何もできなくてごめん。 約束を破ってごめん。 助けられなくてごめん。 心の中で何度謝ったんだろう。 「明日仕事のシフトか。」 「いやーーー!!いやーーー!!恥ずかしい!」 「ははっ!そんなに?」 「初恋なんです!大好きなんです!すみません!だから知りたいんです!」 「分かった分かった。落ち着いて。誰?」 「……マックの君です。」 「…んー。それだけじゃ分からない。」 「…えっと!…とっ!…とっ!…とーー…」 「…と?……冬馬か?」 「のぉーーー!!呼び捨てしてる!恥ずかしくないんですか?私は恥ずかしいです!」 「だから落ち着いて。僕の部下なんだから、恥ずかしいも何もないよ。」 「ですよね。ですよね。すみません。」 …なんというか。 純粋な子。 父親を目の前で失っても、こんなに真っ直ぐ育ってくれていた。 そして恋をしている。 冬馬は本当に優しく男から見てもカッコいい男だ。 性格もいい。懐もでかい。 俺が今出来ることって…何だろうか。
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