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「…もういいよ。分かったから。」 「……ゴメン。言わなくて……」 「辛いことを思い出したくなかったんでしょ?」 「……………」 「それより、今日!私も一緒にナツの家に連れてってよ!ね?」 「え?」 「私がいると殴られないよ。大丈夫だって! あとは…そうね。いっぱい遊びに行こう!」 「…千夏ちゃん?」 「青い春は今だけだってば!いっぱい楽しもう! そして…マックの君を捜す!」 「いや、あのね。私は…」 「楽しいこといっぱいやろう!決まり♪」 ちょっとよく分からないけど、可哀想だとか思ってくれたのかな… 本気で心配されてるっぽい。 「ナツ。あんたには私がいるよ。一人じゃないからね。よく覚えておきな?」 「うん。ありがとう。」 「あっ!!お前ら、サボりか!!どこのクラスだ!!」 「うわっ!鬼セン!ナツ!逃げるよ!」 「誰が鬼センだ!!」 生活指導の千田先生が見回りしていたらしく、私たちを見つけると追い掛け回してきた。 ちょっとだけ心がスッキリしている自分。 大笑いしながら一緒に逃げた。
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