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「…クソ…マジか…」 溜め息を吐いた冬馬は、ちょっと思い詰めたように再度俺と向き合った。 「…副隊長。無視していいですから。」 「は?…何を突然…」 「その子、俺のなんで。」 「…………!?」 「来ても無視してください。そうしなきゃダメなんです。絶対無視してください。」 「理由は?」 「俺といたら傷付くんです。」 …なるほど。 こいつは理由を知ってるんだ。 消防士を嫌いなことも。その訳も。 「知り合いだったのか?」 「偶然ですけど。だがもう傍にはいられないから突き放しました。」 「なぜだ?お前のためにここまで来て消防士のことを知りたいと頭を下げに来たんだ。 連中を見ただけで拒否反応を示し、トイレに駆け込むほどストレスを感じながらも、頑張って夕方までいたんだぞ。」 「あいつのことは分かってます。でも、プライベートのことまで副隊長に命令される筋合いはありません。…失礼しました。」 …一瞬、最悪パターンだと思った。 だが、ほんの一瞬だ。 いつも冷静に見える冬馬が焦ってる。 心なしか、顔も赤くなって… …そうか。 好きな奴って…あの子のことか。
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