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そして、この前刈谷さんから教えてもらった場所に移動する。 見学者の特等席。 全体が見渡せて、誰が何をしているか分かる場所が、たった一ヶ所だけあるって。 昨日見てみると、本当に動きが分かった。 「…あ…!いた…」 ちょっと遠目でも分かる。 なんか分からないけど、ヘルメットから出てる髪の毛みたいなヒラヒラに邪魔されて顔がよく見えないけど。 訓練してる人たちの中で、なぜかそこだけ輝いて見える。だからあれは、 「…マックの君だ…」 立っているだけでも汗が出てきそうな暑さ。 だけどマックの君は、防火服に酸素ボンベを背負い、長い梯子を上っていた。 そして、梯子の中盤、建物内から顔を出した人に何かを持たされた。 それを持ちながら、マックの君は屋上へと登り始めた。 …スピードが落ちた。離れた場所のここでも聞こえるマックの君の苦しそうな叫び声。 あれは、多分、相当重たいものなんだ。 ……人間の重さ? 防火服は結構重たいって刈谷さんから昨日教えてもらった。 酸素ボンベは海で使うものと形は違うけど。海で使うもののボンベの重さは知ってる。あれと同じくらい? そして、渡されたあの袋が本当に人間の重さだったら?
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