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「…頑張れ!マックの君…!頑張れ!」 今、マックの君の腕にある負担はどれくらいだろう? 自分の体重を加えたらきっと100kgを越えてる。 それでも重力に逆らって、懸命に上へ。 昨日はただ見てるだけだった。 今日は、マックの君が辛そうな顔だったから気付けた。 これが消防士の訓練。 普段から、あらゆる人命救助の場面を想定して厳しくするんだ。 私が当たり前のように勉強して、ご飯食べて、寝てる時、マックの君は必死に訓練してる。 それが仕事だから。 それが当たり前だから。 だけど、この厳しい訓練を毎日するくらい頑張っている。 私の当たり前と、全く違う。 マックの君の叫び声が響く。 見ている消防官から激が飛ぶ。 ゆっくり、確実に、屋上へ近付くマックの君。 そして 「…っ…ああああーー!!!」 全部を出しきるような大声が響き、同時にマックの君が屋上に辿り着いた。
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