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翌日。
私はボロボロ泣き崩れる千夏ちゃんの胸の中にいた。
「授業が…」「サボれ!」
一言に一言で一蹴されて今に至るわけで。
それもそのはず。
ガッツリとボケーとしてたため、冷やすという行動さえ忘れてしまってて、頬は見事に腫れていたから。
だけど、平気なんだよ。千夏ちゃん。
「あの…千夏ちゃん?…大丈夫だよ?」
「嘘つくな!」
「本当に大丈夫。…全く痛くないの。」
「だから嘘つくなってば!こんなに腫れてるくせに!痛くないはずないでしょうが!!」
「うん。私もそう思ったけど。…つねっても押しても痛くないんだよね。」
「………え?」
「ほら。見て?」
腫れた頬を思いっきりつねってみせる。
「こうしても痛くないの。だから大丈夫。見かけだけだよ。泣かないで。」
千夏ちゃんの頭をヨシヨシと撫でて、涙をハンカチで拭ってあげた。
拭ったそばからまた溢れてくるけど。
「…ナツ…?あんた一体どうしたの?」
「何が?普通だよ?」
「普通じゃないよ。何言われた?」
聞かれたことに素直に答えれば、千夏ちゃんはさらに大声で泣いた。
…私のために泣いてくれてる。
それだけで心が安らいだ。
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