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「風邪引いた?」 …ほら。気付いてないようで気付いてる。 こういうところも好き。 首をブンブン横に振るとちょっとだけ顰めっ面。 きっと直ぐに気付いたんだと思う。 マックの君は、私とお母さんの関係を知ってるから。 「マックの君。今日もお疲れさまです!凄くカッコ良かったです!」 「……………」 「ビルからビルにロープだけで渡るなんて、消防士ってそんなことまでするんですね!私は」 「ナツちゃん。…もう諦めなって。しつこい。」 "シツコイ" だって。 だけど、まだ精一杯頑張りたい。 "ハツコイ" だもん。 「…ただ、見てるだけじゃないですか。お仕事に支障はきたしてないはずです。」 「刈谷さんたちにも、今日のメンバーにも、迷惑かけてるって分かってる?」 「迷惑…」 「高校生一人に時間をとる暇なんて、本当はないんだよ。 訓練見てて分かるだろ?時間があれば休みたいんだよ。少しでも休んで緊急時に備えたい。」 「…分かってます。でも、私は」 「俺を好きになって、傷付くのは君だ。」 「……………」 「たとえ付き合ったとして、すぐ別れるのが分かる。君は君と似合う彼を見つけるんだ。」
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